家庭用蓄電池を検討すると、まず気になるのが「いくらかかるのか」「何年で元が取れるのか」ということではないでしょうか。
私も蓄電池を導入する前は、同じことを考えていました。
ただ、実際に調べてみると、蓄電池の価格や経済性は家庭によってかなり違います。
そこでこの記事では、まず我が家がどのような条件で蓄電池を導入したのかを紹介したうえで、「蓄電池は何年で元が取れるのか」を考えてみます。
我が家の太陽光発電と蓄電池の状況
まず、我が家がどのような条件で蓄電池を導入したのかを紹介します。
- 太陽光発電の設置:2000年
- 太陽光発電容量:2.9kW
- 太陽光パネル:20年以上使用
- FIT:卒業済み
- 売電価格:7円/kWh
- 蓄電池:ハイブリッド型
- 蓄電池導入費用:約160万円
- 自治体の補助金:15万円
- 実質負担:約145万円
我が家の場合、太陽光発電と蓄電池を同時に設置したわけではありません。
太陽光発電は2000年に設置しており、20年以上経過してから蓄電池を後から導入しました。
また、蓄電池を検討したきっかけも、単純に「電気代を安くしたい」というものではありません。
20年以上使っていたパワーコンディショナーの寿命が気になり始めたことが大きなきっかけでした。
さらにFITを卒業し、売電価格が7円/kWhまで下がっていたこともあり、
「これからは売るより、自宅で使ったほうがいいのではないか」
と考えるようになりました。
こうした条件が重なった結果、我が家では蓄電池を導入することになりました。
我が家が蓄電池を検討するようになった理由
そもそも、我が家は最初から蓄電池を導入しようと思っていたわけではありません。
きっかけは、20年以上使っていたパワーコンディショナーへの不安でした。
一般的にパワーコンディショナーの寿命は10~15年程度と言われています。
我が家の場合は、すでに20年以上使用しています。
幸い、発電量が大きく落ちたり、エラーが頻発したりするようなことはありませんでした。
それでも、「いつ故障してもおかしくないのではないか」という不安はありました。
そこで最初は、「パワーコンディショナーだけ交換すればいいのでは?」と考えていました。
ところが、蓄電池について話を聞く機会があり、考え方が変わっていきました。
パワコン交換だけなら30~40万円程度だった
パワーコンディショナーだけを交換するなら、30~40万円程度になると考えていました。
160万円の蓄電池と比べれば、金額にはかなりの差があります。
単純に金額だけを比較すれば、
パワコン交換のほうが圧倒的に安い。
これは間違いありません。
それでも蓄電池を検討するようになったのには理由があります。
我が家では太陽光発電もすでに20年以上使っていました。
そのため、「今ここでパワコンだけ交換して、その後に太陽光パネルが壊れたらどうなるのか?」という問題もありました。
太陽光パネルの寿命は一般的に20~30年程度と言われています。
もちろん、20年を超えたからすぐに壊れるというわけではありません。
実際、我が家の太陽光パネルは20年以上経過した現在も発電しています。
ただ、パワコンだけを新しくしても、太陽光パネルのほうが先に使えなくなる可能性はあります。
そう考えると、古い太陽光発電設備にパワコンだけ交換するより、蓄電池まで含めて今後の使い方を考えたほうがいいのではないかと思うようになりました。
蓄電池は何年で元が取れるのか
ここからが本題です。
蓄電池は何年で元が取れるのでしょうか。
結論から言えば、
家庭によって大きく違うため、一概には言えません。
太陽光発電の容量や発電量、家庭の電気使用量、蓄電池の容量、電気料金、売電価格などによって変わるからです。
同じ10kWhの蓄電池を設置したとしても、
- 太陽光発電の容量
- 昼間の電気使用量
- 夜間の電気使用量
- 電気料金
- 売電価格
- 蓄電池の導入費用
- 補助金
が違えば、経済効果も変わります。
そのため、
「蓄電池は10年で元が取れる」
「15年使えば得になる」
と一律に考えることはできません。
「元を取る」とはどういうことなのか
例えば、蓄電池を160万円で購入して、年間10万円分の電気代を削減できたとします。
単純計算なら、160万円 ÷ 10万円 = 16年です。
つまり16年間で、支払った金額と同じだけの電気代を削減できることになります。
ただし、我が家の場合は自治体から15万円の補助金を受けています。
そのため、
160万円-15万円=145万円
が実質的な負担額でした。
この場合、同じ年間10万円の削減なら、
145万円 ÷ 10万円 = 14.5年
となります。
このように、補助金の有無によっても「元を取るまでの年数」は変わります。
もちろん、これはあくまで単純計算です。
実際には電気料金や発電量も変化しますし、蓄電池の性能や使用状況なども関係してきます。
FIT中と卒FIT後では考え方が変わる
蓄電池の経済性を考えるうえで、私が特に重要だと感じたのがFITを卒業しているかどうかです。
我が家はすでにFITを卒業しています。
以前は太陽光発電で作った電気を比較的高い価格で売ることができました。
ところがFIT卒業後、我が家の売電価格は7円/kWhになりました。
そこで、「この価格で売るくらいなら、自宅で使ったほうがいいのでは?」と考えるようになりました。
太陽光発電で昼間に作った電気を蓄電池に貯めておき、夜に使う。
そうすれば、電力会社から購入する電気を減らすことができます。
我が家にとっては、これが蓄電池を導入する大きな理由の一つでした。
FIT期間中なら売電との比較も必要
一方、まだFIT期間中で、売電価格が高い家庭の場合は話が違ってきます。
太陽光発電で作った電気を、
「売るのか」
「蓄電池に貯めて自宅で使うのか」
を比較する必要があるからです。
売電価格が高ければ、蓄電池に貯めるより、そのまま売電したほうが有利になる場合もあります。
逆に卒FIT後で売電価格が低くなっているなら、蓄電池に貯めて自家消費するメリットが大きくなる可能性があります。
つまり、蓄電池の容量や経済性を考えるときは、
「自分の家庭がFIT中なのか、卒FITなのか」
も重要な判断材料になります。
電気代だけではなく「自家消費」も考える
蓄電池の経済効果を考えるとき、「毎月の電気代がいくら安くなるか」だけを考えてしまいがちです。
しかし、我が家では、
「電力会社から買う電気をどれだけ減らせるか」
という考え方も重要でした。
太陽光発電で昼間に電気を作っても、その時間帯に家で使い切れなければ余った電気になります。
その電気を蓄電池に貯めておけば、太陽が出ていない時間帯に使うことができます。
特に卒FIT後で売電価格が安くなっている家庭では、太陽光発電の電気を自宅で使うという考え方が重要になると思います。
蓄電池には電気代削減以外のメリットもある
蓄電池を「元が取れるか」という視点だけで考えると、どうしても価格の高さが気になります。
しかし、蓄電池には経済性以外の役割もあります。
その一つが停電対策です。
電力会社から電気を購入している家庭の場合、停電すれば基本的に電気を使えなくなります。
一方、蓄電池に電気が残っていれば、停電時にも電気を使える可能性があります。
もちろん、実際にどの程度の電気を使えるかは、蓄電池の容量やシステム、接続している回路などによって異なります。
それでも、
「電気代を安くする」
だけでなく、
「もしものときに電気を確保する」
という役割があることは、蓄電池を検討するうえで忘れてはいけないと思います。
停電対策だけならポータブル電源という選択肢もある
ここは我が家が蓄電池を検討するまで知らなかったことですが、現在ではポータブル電源という選択肢もあります。
家庭用蓄電池とポータブル電源は、どちらも電気を貯めて使えるという点では似ています。
しかし、目的や使い方はかなり違います。
家庭用蓄電池は住宅に設置して、太陽光発電と組み合わせたり、家庭の電気をバックアップしたりすることを想定した設備です。
一方、ポータブル電源は持ち運びができ、キャンプや車中泊、停電時の非常用電源など、より手軽に利用できます。
そのため、
「太陽光発電と組み合わせて普段から電気を有効活用したい」のか、「停電時の備えを手軽に用意したい」のか
によって、選択肢も変わってきます。
ここは蓄電池を検討している人なら、一度比較してみてもいいところだと思います。
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蓄電池は「大容量ならお得」とは限らない
もう一つ注意したいのが、蓄電池の容量です。
容量が大きければ、たくさんの電気を貯めることができます。
しかし、大容量だから必ず得になるわけではありません。
家庭の電気使用量に対して容量が大きすぎれば、せっかくの容量を十分に活用できない可能性があります。
逆に容量が小さすぎれば、必要な時間帯まで電気を持たせられないかもしれません。
さらに、FIT中なのか卒FIT後なのかによっても、必要な容量の考え方は変わってきます。
だからこそ、単純に「一番容量が大きいもの」を選ぶのではなく、自分の家庭に合った容量を考える必要があります。
我が家はハイブリッド型の蓄電池を選んだ
我が家の場合、もう一つ大きかったのがパワーコンディショナーとの関係です。
蓄電池には、既存の太陽光発電用パワーコンディショナーを使うタイプと、太陽光と蓄電池を一体的に制御するハイブリッド型があります。
我が家が導入したのはハイブリッド型でした。
20年以上使っていたパワーコンディショナーをどうするか悩んでいた我が家にとって、
蓄電池の導入と同時にパワーコンディショナーも新しくできる
という点は大きなメリットでした。
太陽光発電を設置してから数年しか経っていない家庭と、20年以上経過している我が家では、蓄電池を選ぶ基準が違ってくるわけです。
我が家の蓄電池は160万円だった
ここで改めて我が家の金額を整理しますね。
蓄電池の契約額は、約160万円でした。
ただし、この金額だけを見て、「蓄電池は160万円する」と考えるのは違います。
我が家の場合は、
- 太陽光発電2.9kW
- 20年以上使用
- 卒FIT
- 売電価格7円/kWh
- ハイブリッド型
- 我が家の電気使用状況
- 設置条件
などを踏まえて決まった金額だからです。
さらに自治体から15万円の補助金を受けたため、実質負担は約145万円でした。
家庭によって容量もメーカーも設置条件も違うため、当然ながら金額も変わります。
「何年で元が取れるか」は見積もりを取ってから考える
ここまで読んで、「じゃあ、我が家なら何年で元が取れるの?」と思う人もいるでしょう。
これを考えるためには、まず自宅の条件を知る必要があります。
例えば、
- 太陽光発電の容量
- 年間発電量
- 電気使用量
- 昼間と夜間の電気使用量
- 現在の電気料金
- 売電価格
- 蓄電池の容量
- 蓄電池の導入費用
- 補助金
などです。
これだけ条件が違えば、当然ながら結果も変わります。
そのため、ネットで見つけた「蓄電池は○年で元が取れる」という数字を、そのまま自分の家庭に当てはめないほうがいいと思います。
蓄電池は複数社から見積もりを取って比較した
我が家の場合、蓄電池を導入するときにタイナビ蓄電池を利用して複数社から見積もりを取りました。
最初から160万円だったわけではありません。
業者に我が家の太陽光発電の容量や発電状況、家族構成などを確認してもらい、蓄電池の容量などを決めていった結果、最終的に約160万円になりました。
複数社から話を聞いたことで、
「この容量でいいのか」
「この金額は高いのか」
を考える材料にもなりました。
蓄電池は決して安い設備ではないので、一社だけの見積もりで決めるより、複数社を比較してから判断したほうが安心だと思います。
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もちろん、見積もりを取ったからといって、その業者と契約しなければならないわけではありません。
「自分の家ならどのくらいの容量が必要で、いくらくらいになるのか」を知るために利用するのも一つの方法です。
まとめ:蓄電池は「何年で元が取れるか」だけで決めない
蓄電池は高額な設備です。
だからこそ、「何年で元が取れるのか?」と考えるのは当然だと思います。
ただ、蓄電池の経済性は家庭によって大きく変わります。
特に、
- FIT中なのか卒FITなのか
- 売電価格はいくらなのか
- 電気をどれくらい使うのか
- 太陽光発電はどれくらい発電するのか
- どのくらいの容量が必要なのか
- 蓄電池をいくらで購入するのか
- 補助金を利用できるのか
によって結果は変わります。
我が家の場合は、2000年に設置した2.9kWの太陽光発電を20年以上使っており、FITを卒業して売電価格が7円/kWhになっていました。
さらに、20年以上使ったパワーコンディショナーへの不安もありました。
その結果、ハイブリッド型の蓄電池を約160万円で導入し、自治体の補助金15万円を受けて実質負担は約145万円となりました。
ただし、これはあくまで我が家の場合です。
蓄電池が得なのか損なのかを考えるなら、「何年で元が取れるか」という数字だけを見るのではなく、自分の家庭では蓄電池に何を求めるのかまで考えることが大切です。
そして、その判断をするためには、まず自宅の条件に合わせた見積もりを取ってみる。
私自身の経験からも、これが一番現実的な方法だと感じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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